リスクアバース(リスク嫌忌的)について
いやー、コロナの影響凄いですね。。。
予定していた出張や打ち合わせもWeb会議になってしまい、やや残念な昨今です。
さてさて、今回はタイトルについて考えてみたいと思います。
リスクアバース(risk averse)とはなんでしょうか。averseとは嫌悪を意味するので、リスクを嫌う性質を意味します。
そもそも、リスクが好きな人ってあんまりいませんよね?なので、あまりしっくりこない言葉ではあるのですが以下のように考えるとしっくりくるかもしれません。
ある人が、あなたにギャンブルを申し込んできます。あなたが、コインを投げて、表が出たら、あなたは、1万円受け取ります。裏が出たら、あなたが1万円を支払わなければなりません。さて、あなたは、この賭けを受けますか?
もし、受け付けないなら、あなたは、リスクアバース方の人で、世間の大多数の人と同じです。
つまり、リスクアバースの定義は、たとえ、期待リターンが0円であっても、決して賭けを受け付けない人ということです。
期待リターンが0円なんだから、賭けをやってもやらなくても、同じ、と考えないのです。
要するに損失が無くて済む状況をより好む性質をリスクアバースと言います。行動経済学でよく出てくるプロスペクト理論に通ずるものがありますね。
企業内の意思決定の中では、期待値を考慮せず僅かなリスクに焦点を当てて、リスクを回避しようとする人は沢山います。大企業あるあるです。
必要なリスクを取った意思決定を行うことは、経営者として最も重要な仕事ではあるのですが、大半の企業経営者はリスクアバースに捉われて、正しい判断ができない状況が散見されます。
年齢を重ねると、徐々にリスクアバースになっていきます。大きな会社であれば、マネジメント層が高齢なので企業体質としてリスクアバースになりがちです。
本能的に避けられない事象ではあるのですが、リスク自体はチャンスでもありますので、せめて個人としては適切なリスクを取った行動を心掛けたいと思います。
リスクとは、金融工学的には期待リターンの標準偏差および分散などを言いますが、株式投資はリスクはありますが、余りあるリターンがあると考えています。
私の愛読書である嘘喰いのセリフを乗せておきます。
いいか 打破すべき防衛本能もあるのだ
例えば咄嗟に目蓋を閉じるということ
見たくない恐怖をシャットダウンし 反射的に異物から眼球を守る
いわば肉体の防衛本能だが、その行為が、危険... 敵の姿、切り抜ける道、あらゆるものを見逃すことになる
目まぐるしく変化するものを捉えるには 身に染み付いた本能を打ち破り見るのだ
兆しを かすかな変化を