悲しき社畜が経済的自由を目指すブログ

これは、悲しき社畜が経済的自由を目指す物語である。

カーシェア事業について〜事業の性質を分析する

皆さんこんにちは、めっちゃ久しぶりのエントリとなります。

 

最近の変化といえば、遂に車を手放しました。長年車を所有していたのですが、維持費が高い割にめっきり使わなくなりましたので自動車税の通知をきっかけに手放すこととしました。

 

よく考えると、自動車税自動車保険、駐車場代など毎年かなりの出費です。自動車税が5万円、保険も5万円、駐車場が毎月1万円、ガソリン代もかかる・・・となると年間20万円程度は平気でかかってしまいます。冷静に考えてその分は投資に回すほうがいいですよね。

 

ふと周囲を見渡すとカーシェアがかなり増えてきており、これで十分なんじゃないかということでカーシェアも今後は実験的に使ってみる所存です。

 

というわけでカーシェアビジネスについて今回は考察していきたいと思います。まずはカーシェア市場を見てみましょう。

 

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 2021年第一四半期:主要6社 – カーシェアリング市場動向 | カーシェアリング比較360°

 

ステーション数の推移を見ると、タイムズカーがぶっちぎりの一位で、次いでカレコ、オリックスとなっていることがわかります。タイムズカーはまあ知ってるとして、カレコはカーシェアリングジャパンという会社が展開しているのですが、2017年に三井不動産リアリティに買収され、現在は三井のリパークなどでカーシェア事業を展開しています。三井のリパークも沢山ありますから、その優位性を利用して業界2位につけています。3位のオリックスもよく見ますよね。

 

オリックスは平日のちょい乗り需要に応えるため、平日定額プランを提供したりと他社との差別化も図っています。私個人は休日のちょい乗りが多くなる予定なので、これは使わないかな・・・

www.nikkei.com

 

というわけで、カーシェアは主にこの3社がメインプレーヤーになります。カーシェア事業は、ユーザー視点からすると沢山利用場所が多いほど利用価値が上がります。例えば、家の周りに一箇所しかないと使いたいときに車がなかったりするのですが、数箇所あれば使いたいときに使える確率が上がり、それなら自家用車は不要だなと考えたりするわけです。これはIT事業におけるネットワーク効果と近いかもしれません。

 

そうすると、如何に駐車場用地を獲得するかが勝負どころとなります。そういう意味では土地持ちの方への営業力というのが大事になるかもしれません。

 

また、用地確保に加えてシステム運用というのも重要だと思います。例えばタイムズはトニックという情報システムが強みであるとされています。

土肥: 黒字化達成の背景には3つの武器があるから、といった話をうかがいました。しかし、それだけではないですよね。パーク24には、情報システム「トニック」というもう1つの“武器”があるのではないでしょうか? 駐車場ビジネスはトニックを使って、売り上げをアップされたそうですが、このシステムについて詳しく教えていただけますか?

内津: トニックを使って何が分かってきたのかというと「稼働状況」なんです。駐車場の稼働率が高ければ料金を少し上げて、稼働率が低ければ料金を少し下げる。先ほども申し上げましたが、利用されていない駐車場は空気を置いているようなものなのでもったいない。しかし、トニックを使えばリアルタイムで空いている駐車場が分かるので、効率よく運営できるようになりました。

 例えば、駐車場が満車なのに、そこにカーシェアのクルマを置くと、会社の売り上げを食ってしまうことになりますよね。カーシェアのクルマがなければ売り上げが伸びていたのに……といった話。これはよくないことなので、データを分析して「この駐車場は稼働率が高いので、カーシェアのクルマを置かない」「この駐車場は稼働率が低いので、カーシェアのクルマを置く」といったことを決めているんですよ。

カーシェア事業で、なぜ「パーク24」だけが黒字化できたのか:水曜インタビュー劇場(カーシェア公演)(4/8 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

カーシェア事業というのはそれだけでなく、駐車場事業とのあわせ技です。駐車場需要が高いところはカーシェア用の車を置く必要はなく、ある程度駐車場需要が低いところに車を設置するわけです。そのバランスを適切に見極めたプライシングにはシステムが欠かせません。

 

以上から、カーシェア事業は用地集積とシステム開発力というのが肝と私は考えています。この2点というのはいずれも先行者優位がある要素です。例えば、用地集積についても駐車場が多ければ多いほどカーシェア事業の利便性が上がり、それによってユーザーをロックできますし、システム開発というのも事例が多いほど改善がしやすくなるという性質があります。

 

そういう意味では現状で駐車場がない事業者が大逆転するのは難しく、現状強いところが今後も強くなり続ける構造になりやすい事業であると考えることができます。

 

今はユーザに過ぎませんがもし投資をするとしたら、一位のタイムズカー運営会社のパーク24にするべきなんでしょうね。FY2020決算はコロナや海外事業の特損により大赤字という結果になりましたが、自家用車は今後も減り続けるでしょうから長期的には伸びる会社なのだろうと思います。

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