悲しき社畜からみる迷信〜六曜という迷信について
結婚や葬式の日付を決めるにあたって、六曜を気にする人は多いかと思います。今回はそれらの歴史的背景や根拠について考えて見ます。
人間この信じやすきもの―迷信・誤信はどうして生まれるか (認知科学選書)
- 作者: トーマスギロビッチ,Thomas Gilovich,守一雄,守秀子
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 1993/06/01
- メディア: 単行本
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六曜とは
六曜とは、仏滅や大安など日付に割り振られており、日付に意味づけをするパラメータです。先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種類があります。
「結婚式は大安がよい」とか「葬式は友引を避ける」などの意味があるそうで、私の祖父母も六曜をとても気にしますし、日本の土着的な信仰のようなものです。
私はひねくれ者でしたので、根拠なく信じることがありえないと思って聞いていましたし、今でもそう考えています。
宗教とかでもそうなのですが、信仰というのは、当時は根拠があるライフハック的なものだったんでしょうが、時代や前提が変わるにつれて、実情にそぐわなくなった事柄は多いものです。
起源について
それでは、六曜の起源はなんでしょう。諸説では、諸葛孔明が考案したとありますが、今ではそれは否定されており、中国でもごく一部の地方で使われていた程度の概念だったようです。
六曜が日本で使われるようになったのが、明治時代からです。当時、明治政府は、日本を近代的な強い国にしようと画策しており、それぞれの地域で発展していた多様な「こよみ」を今使われている太陽暦に統一しようとしていました。
太陽暦とは、地球が太陽を回る周期を基にして作られた暦であり、世界で最も多く使われているものです。太陽暦が導入される前は、太陰暦が使われており、太陽暦の1年と比較すると、若干日数が異なります。当時の先進国と暦を揃えようという点と、それまで使われていた古い暦は不合理な点が多く、それではいかんと、統一した近代的な暦を導入しようとしていたわけです。
そうすると、これまで使われていた慣わしや言い伝えは表記してはいけないことになります。太陽暦法施行後は、それまでの暦が記載できなくなり、数字だけの暦のカレンダーが発行されましたが、当時の日本人は古い暦から離れる人は少なく、闇市で、古い暦のカレンダーが飛ぶように売れたそうです。日本人は無宗教だと言いますが、とても信仰心が強い民族なんです。
そうすると、法律に沿ったカレンダーがまったく売れないということで、当時のカレンダー業者が、それまで日本で使われていなかったシンプルでわかりやすい六曜というものを引っ張ってきて、カレンダーに記載されるようになったようです。
根拠について
とまあ、歴史的背景はこのようになりますが、肝心の六曜の根拠はどうなんでしょうか。結論からすると、まったく根拠はありません。「仏滅」とかありますが、お釈迦様や親鸞も「日の吉凶を選ぶことはよくない」といっており、迷信・俗説の類を禁じていたようで、権威的な意味づけも薄いようです。
六曜についてざっくりまとめると、六曜とは明治時代の太陽歴導入にあたり、商売に困ったカレンダー業者が、カレンダーを売るために中国の田舎から適当に引っ張ってきたテキトーな迷信ということとなります。信じる必要は全くありません。
どうしても六曜を信じたいなら、幸福の定義を明確にした上で、それぞれの六曜で結婚式をする夫婦のサンプルを一定数用意して、統計分析して有意性を検証したらいかがでしょうか(適当)。
悲しき社畜はどうすべきか
あと、当サイトの趣旨とつなげてみます。悲しき社畜は、経済的自由を目指すうえで余計な出費は限りなく削る必要があります。日本では、結婚式や葬式は、六曜によってプライシングされており、不当な高い日付がありますが、六曜の迷信によって高くてもしょうがないというコンセンサスがあります。しかしながら悲しき社畜としては、意味のないものにお金を払うことは断じて禁ずるべきと考えていますので、親や家族に怒られようが、安い日付でライフイベントは行うべきでしょう。
仕事に限らず、プライベートにおいても常に根拠やデータを背景にした意思決定を心がけたいものです。