悲しき社畜が経済的自由を目指すブログ

これは、悲しき社畜が経済的自由を目指す物語である。

『センスのいらない経営』を読んで

Gunosy創業者の福島さんの著書です。

読みやすく、彼の思想・考え方がよくわかる良書です。

 

センスのいらない経営

センスのいらない経営

 

 

 

意思を持って経営判断を下す

 「企業価値の最大化」を目的としたなら、企業価値インパクトを与える指標は何か、自分たちの会社は何が強みなのか、あるいは事業をコンポーネント的に考えたら、どの部分を自動化できるのかといったブレイクダウンを行わなくては、機械の力を借りることはできません。

 

「意思を持って経営判断を下す」ということは、人間にしかできないのです。テクノロジーの進化を含め、これから世の中はどうなっていくのか。その中で、自分たちはどういう役割を担っていきたいのか。自分たちの発想や技術で、世の中をどう変えていきたいのか。理念や目標として表れる強い意志こそが、最後に残る人間の役割、価値だと思います。

 

手数の多い人が勝つ時代

現代は「やってみる」という実験を繰り返すことができる人、「手数の多い人」が勝つ時代だと思います。Gunosyの社員でも、慎重に考え方を詰め切ってからでないと、実験できないタイプより、ある程度、決め打ちできるタイプの方が伸びる傾向があります。

 

決断の総量を増やしていくことが大事なのだと思います。いきなり正しいところにたどり着くことはできません。「このあたりが正しいだろう」と思うところへ向けて進み、その方向を都度決めていく。そうしてジグザグと試行錯誤しながら、ようやく正解にたどり着けるのだと思います。

 

積み上がっていくものにしか意味はない

勿論、手数を増やしていくだけではダメです。実験したならば、必ずその結果の検証が必要です。失敗したなら、何が原因かを突き止めるまで分析する。その問題を解決する方法を見出して、また実験をする。そうして常にチューニングを加えていくことで初めて、正しい方向に進んでいくことができます。不確実性の高い時代では、何度もトライ&エラーを繰り返すことができる人が強い。

 

事業においても、人生においても、一足とびに進んでいくことはありません。少しずつ少しずつ積み上がっていくものにしか意味はないのです。

 

判断は保留してはいけない

人は何かを選択すべき時、判断材料が比較的容易に出そろっていて、決めるだけでいいことと、判断材料がそろっていなくても決めなければいけないことの2種類があります。その違いは、判断と意思決定と言い換えることができるかもしれません。

 

判断材料は全て揃っている。誰の目から見てもどちらを選べばいいかは明らかなのに、その決定のためだけに、上司、役員のハンコがいる。そうした会社もあると思いますが、とても非効率だと思います。

 

正しい判断よりも速い判断

速い判断とは、根拠のない雑な判断ではありません。判断するに足る判断基準に従って下す判断です。そもそもビジネス的な成功につながった判断を、正しい判断とするならば、正しいかどうかは全て事後的に分かるものです。そんな正しさを求めて迷えば、判断が遅くなるのは当然ですし、事前に正しいかどうかばかりを考えること自体が不毛です。

 

「正しい判断」を求めて時間をかけるというのは、自分の中で、判断基準が明確ではないからです。そういう自分の基準がない人ほど「もっと情報が欲しい」、「まだ決められない」といって判断を先送りしてしまいます。

 

それは決められないのではなくて、考えることができていないだけなのではないでしょうか。判断基準がしっかりとしていれば、大抵のことは話を聞いた時点で判断できるはずです。アマゾンの社内には「70%の情報が出そろったら意思決定する」というルールがあり、100%の情報が揃った判断より推奨されているそうです。

 

決められないことを決めるのが意思決定

「意思決定」とは、判断材料が存在しない状況、判断材料がそろうまで待てない状況で判断を下すことです。どれだけ判断材料を並べても、未知の部分が多く、統計的に判断が下せない。その状況で決断をしなければいけない。それを決めるのが経営者です。

 

わからないことをわかるようにするためには、「やってみる」しかありません。そしてやってみることには、本質的にリスクが伴います。そのリスクが大きくても、今やらなくては先手を取れない。そうであるならば、「やるぞ!」と決めて飛び込むしかありません。

 

リスクはコントロールできる

会社を危機に晒してはいけないとはいえ、リスクを恐れ、ひたすら守りの姿勢を取るだけでは、会社を伸ばしていくこともできません。大きなポジションをとるためには。「最初にやってみた人」になる必要があります。そこで考えるべきは、やってみなければわからないことに対して、自分たちはどれだけのリスクをとれるのかを見極めることです。

 

取るべきリスクをとって飛び込む度胸と、どう転んでも会社を存続の危機に陥れないように外堀をしっかり固める慎重さ。ビジネスを成功させていくには、こうした資質が必要なのだと思います。

 

失敗を失敗とわかることが大切

実験には失敗がつきものです。大事なのは、失敗しないようにすることではなく、失敗を失敗とわかり、そこから学習することです。よく言われることですが、私達なりに言い換えると、統計的に考えて、「正しい評価」を下すということです。

 

物事の因果関係を見極める

一時期、多くの日本企業が急激に成長しました。その中で「日本型経営者」と呼ばれるような経営方法が確立したのだと思います、誤解を恐れずに言えば、そこにあまり意味はないのだと思います。経営メソッドが正しかったのではなく、単に人口ボーナスの影響が大きかっただけなのかも知れません。

 

もちろん、間違っているところもあれば、正しい部分もあるはずです。しかし「あの頃は良かったから」という理由で、意味のない習慣だけが残る。今の日本は間違いなく、その習慣に苦しめられているように思います。

 

「データ主義」とは、データを盲信するということではありません。「データにはノイズが含まれる」という前提で、どこにどんなノイズが有るかを考え、なるべく純度の高い部分だけをすくいあげるようにすること。そうした数字の味方のテクニックを磨くことなのです。