悲しき社畜が経済的自由を目指すブログ

これは、悲しき社畜が経済的自由を目指す物語である。

『ビジネスで失敗する人の10の法則』を読んで

ビジネスをするうえで、陥りがちな法則を紹介した良書です。

コカ・コーラのCEOをしていた方の著書になります。著名な投資家のバフェット氏が序文を書いています。  

ビジネスで失敗する人の10の法則 (日経ビジネス人文庫)

ビジネスで失敗する人の10の法則 (日経ビジネス人文庫)

 

 

 

 

法則1:リスクを取るのを止める。

 何かを達成できたとき、ごく小さなことにすぎなくても、これ以上リスクをとるのはやめておこうという誘惑に駆られる。実に多くの優良企業が決定的な時期に重要なリスクを取らなかったために、打撃を受ける結果になっている。ドラッカーが50年近く前に指摘しているように、会社の現在の資産を賭けて懸命にリスクを取り、将来に生き残れるようにすることこそ、経営陣の大きな仕事である。

 

法則2:柔軟性をなくす  

 愚かな頑固さの例として、テレビ産業の黎明期にハリウッドがとった姿勢を考えるといい。大手スタジオはこんなつまらない事業にはかかわりたくないと考えていた。昔のお笑い芸人の遊び場にしておけばいい。大きなスクリーンと映画にこそ将来があり、今後もその点に変わりはない。そう考えていた。

 

失敗したいのであれば、柔軟性を否定すべきだ。しかし、柔軟性自体に価値があるわけでなく、気の弱い経営者があれこれ迷うばかりで、厳しい決断を下さないときの隠れ蓑にはならない。柔軟性と適応力は、企業の指導者に不可欠な資質であり、管理能力や業務能力、技術力と言った個々の能力を超えるものである。

 

 

法則3:部下を遠ざける 

 部下を遠ざけ、超然とした姿勢をとることは何とも魅力的であり、何とも簡単だ。超然としていれば、従業員は遠ざかり、うわさがうわさを呼ぶ状況になり、ある程度の期間がたつと、反乱すら起こる。だが、失敗したいのであれば、これは最高の戦略だ。

 

 

法則4:自分は無謬だと考える 

 企業の年次報告書を読むと、驚くことが多い。特に株主への手紙の部分には驚かされる。どれを読んでも経営者の手紙は実に巧みに、様々な原因を言い訳にしていることが多い。こういうものばかり読んでいると、バフェットが書いている有名な株主への手紙は、まったく新鮮に感じる。

 

業績が前年より悪かったり、予想より悪かった年には、「業績は良くなかった。これは私の責任だ」とすぐに認める。資本を巧みに配分して利益を獲得してきた点で、ほとんど並ぶもののないほど成功したのにもかかわらず、自分が間違えるはずがないなどと主張することはない。

 

 

法則5:反則すれすれのところで戦う 

反則すれすれのところで勝負していれば、顧客や従業員に信頼されるとは思えない。そして失敗する。信頼は当時も今も、どのような事業にも不可欠な基礎だ。技術は進歩し、経営とマーケティングの新しい流行は次々にあらわれるが、全ての事業は煎じ詰めれば信頼の問題なのだ。

 

 

法則6:考えるのに時間を使わない

 オフィスで働いている人の多くは、「受信箱ショック」とも呼ばれる状態になっていて、やりきれないと訴えている。入ってくるデータが多すぎて、処理しきれなくなっているのだ。人間の神経系はふつう、これほど猛烈なペースと量で押し寄せてくる刺激を処理できるようにはできていない。情報通信技術のために、無駄な時間を省けて今やっていることに集中してじっくりと考えられるようになるどころか、時間が圧縮されて、ストレスが溜まるようになっている。

 

失敗したいのであれば、考える時間を取らないようにするべきだ。成功したいのなら、考える時間を十分にとるべきだ。考える時間を取るのは、ぜいたくではない。必要なことなのだ。ゲーテが語ったように「行動するのは簡単であり、考えるのは難しい」のである。

 

 

法則7:専門家と外部コンサルタントを全面的に信頼する 

「人ではなく、牛をよく見るんだ」。いつも、どのような説明を受けても、商品そのものを見るように努めてきた。どの分野にも人当たりのいい詐欺師がいくらでもいて、お世辞を武器に売り込みを図っている。

 

ほとんどの人は、マーケティングの専門知識、経営戦略、新事業の企画など、売り込んでいる小野に誠実に取り組んでいる。それに、文句のつけようのない資格や経歴があり、絶対の権威者を自認している。

 

難しい問題への明確な答えでしっかり武装しており、パワーポイントの見事なプレゼンテーションで示してくれる。そうした答えの多くは素晴らしく、問題は見当たらない。間違った問いに答えようとしていること以外には。

 

 

法則8:官僚組織を愛する

仕事が全く進まないようにしたいのであれば、何よりもまず事務手続きを優先させるようにするべきだ。社内の官僚組織を大切にする。ヨーロッパでは、「官僚制度」という言葉は18世紀の何処かの時点に、フランスの経済関係の文書で初めて使われるようになった。スコットランドの気難しい批評家、トマス・カーライルは官僚制度について、「ヨーロッパ大陸の悪弊」と書いている。

 

だが、官僚制度は良いものであり、必要ですらあることを認識した人も多い。歴史的に見るなら、大規模な組織を維持するには膨大な管理業務が必要になるので、全く当然の方法として、官僚組織が発達してきたはずである。原始的な部族社会では、指導者は個人としてのカリスマ性に基づいて、部族を率いることができたはずである。しかし、社会がもっと複雑になると、カリスマ的なリーダーだけでは統率できなくなる。古代中国の帝国や、古代エジプトの帝国、古代ローマの帝国は、何らかの官僚組織がなければ構築できなかっただろう。奴隷に対してすら、暴力だけでは細部に渡って命令できたはずがない。

 

20世紀の初頭に、ドイツの社会学者、マックス・ウェーバーが指摘した。大規模な社会組織では長年のうちに階層的な権力構造が確立される。規則が文書で規定され、完了が専門的な教育を受け、そして何よりも重要な点として、役職が作られて、正式な肩書と権限が決められる。

 

人類の発明のうち、特に重要だと思えるのは、当然のこととして受け入れられているものだと思う。発明されて使われるようになると当たり前のように思えるからだ。官僚制度の役職も実に偉大な発明だと思う。

 

複雑な大組織の指導者は、微妙なバランスをとらなければならない。規則や慣例をしっかり定めて、すべての部分が適切に調和の取れた動きをするようにしなければならない。しかし長年のうちに、規則や慣例が独り歩きするようになり、それで達成しようとした目的よりも重視されるようになるのだ。硬直的で役に立たない儀式になり、組織の活力を削ぐようになる。

 

こうした儀式を司る完了は、命がけで儀式を守るようになる。少しでも変えれば、自分の力と権威が損なわれるからだ。そして、官僚はいつも忙しくしている。社内の報告書やメモを次々に書く。夜遅く自宅に帰って、忙しくてたまらないとこぼす。だが、実際には一日中、生産的なことは何もしていない。そうした組織では、失敗は確実である。

 

自社で特に優秀な人材を失いたいのであれば、事務手続きを何よりも優先すればいい。官僚組織を愛することだ。

 

 

法則9:一貫性のないメッセージを送る 

一貫性のないメッセージや今來したメッセージを従業員や顧客に送ると、競争力が損なわれ、失敗につながることになる。

 

 

法則10:将来を恐れる 

ほとんどの人は将来について、慎重に警戒するのが賢明であることを知っている。警戒するのは悪いことではないが、事業にあたって何事にも警戒して安全第一の方法を取っていれば、第一の法則で論じたように、失敗への道になる。リスクを取るのを止めるのは、極めてリスクの高いことなのだ。

 

失敗に注目する悲観主義、メディアの性格を考えれば、これは避けがたいことなのだろう、テレビは悲観主義を勢いづける点で、マルサス以来の大きな力になっている。我々はテレビを通して世界を見ている。その場合、世界が実際よりよく見えることはない。友人の建築家から聞いた話だが、世界一美しい建物でも見にくく見せることは可能だという。

来る日も来る日も、世界の中で失敗した部分だけに注目していれば、人生と将来につての見方はすべて、それによって形成される。私が大好きな詩の一節がある。「二人の男が監獄の鉄格子から表を眺め、一人は泥があるだけといい、もう一人は星が見えるという」。どのような姿勢を取るのか、上を見るのか下を見るのかで、世界はまるで違って見えるのである。

 

恐怖を売り歩く人たちの意見を信じるのであれば、どんなことでも、始めるのに有利な磁気などない。どの時期にも、なにか問題がある。ビジネスモデルにいつも穴があり、地面のすぐ下に埋められた地雷のような問題がいくつもある。

 

起業家が必ず持っている創造性を信じるのであれば、ほとんどどんな時期も有利だと言える。将来に楽観的であれば、忍耐強くなれる。何らかの形で事業を指導する立場に立ちたいと考えているのであれば、楽観主義者でなければならない。

 

失敗したいのであれば、将来を恐れるといい。成功したいのであれば、将来を楽観し、熱意を持って将来に立ち向かうべきだ。

 

 

法則11(おまけ)仕事への熱意、人生への熱意を失う

 ウォーレン・バフェットはこう語っている。「私は毎朝、タップダンスを踊るようにして仕事に行く」。仕事が楽しくなければいけないという意味ではない。そんなことを考えるのは、人材部門のよほどおかしな連中だけだ。みんな会社のために頑張ろうという。

 

だが、仕事というものは、本物の仕事であれば、極めて厳しいことも多く、時には心身ともに疲れ果てる。従業員を元気づけるとき、もっと仕事を楽しもうなどとは言わない。もっと良い仕事ができるのだから、もっと働こうと呼びかける。従業員は満足感を得るために、もっと良い仕事をしたいと望む。仕事が厳しければ、タップダンスを踊るようにして仕事に行くようになる。その日の問題を解決したいという熱意こそが重要なのだ。