悲しき社畜が経済的自由を目指すブログ

これは、悲しき社畜が経済的自由を目指す物語である。

シューカツという投資

投資とは、資本を投下してリターンを得ることです。

株式投資は、企業に金融資本を投下してリターンを得る行為ですし、同じく企業に投資をすると言っても社債への投資とくらべてハイリスクハイリターンの投資です。

では、就職活動は投資なのかというと、間違いなく投資です。我々が働くということは、自らの人的資本を投下して、企業からリターンを得る行為です。大卒サラリーマンの生涯年収は、大体2億円から3億円程度とされています。また、所属企業の平均年収を利息と規定すれば、自らの人的資本の価値を導くことができます。

ファイナンスの世界においては、割引現在価値という概念があり、将来の100万円は現在の100万円より価値が低いとされています。考えてみたら当たり前で今使えるお金の方が価値が高いに決まっています。これを元に大卒サラリーマンの人的資本の価値を算定してみます。

大学卒業後、40年間働くことで生涯年収2.5億円を得ることができる企業に就職したとしましょう。そこでは平均年収が600万円となっています。この場合、人的資本は幾らになるでしょうか。

この雇用契約は、毎年600万円が利息として貰い、40年後に満期が来る債券投資と見立てる事ができます。そうすると、600万円÷2.5億円=2.4%となり、毎年2.4%の利息を貰える投資となります。この債券の理論価格は以下の数式で計算可能です。


毎年、C円のクーポンが貰えて、n年後の満期には額面の100円が償還されるとすると、
PV = C/(1+r) + C/(1+r)^2 + .... + C/(1+r)^n + 100/(1+r)^n
となるので、それぞれ数字を当てはめていきます。(PVはPresent Value、つまり現在価値のことです。)

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C=600万円、r=2.5%、n=40を入力すると、PVは大体、1.5億円程度となります。
(計算が面倒なので概算値で話してます。詳細は各自勝手に計算してください。)

何が言いたいかというと、就職活動はこのくらいの金額の投資と同じなんですよということです。『インベスターZ』でもあった台詞ですが「就職とは人生の投資なのです」というのは決して言いすぎではない言葉です。

1億円とか持っていたら、決して適当に投資はしないはずです。必死こいて利回りが高く安全な投資先を探すでしょう。就職活動においてそのような投資先は、「将来の成長が見込める産業のリーディングカンパニー」となります。

そして、1億円以上の人的資本を債券投資(ローリスク・ローリターン)に回しているのならば、その他の資産(金融資産)を株式投資(ハイリスクハイリターン)に回すのは、ポートフォリオ的に合理的なのではないかという感じで締めます。 

インベスターZ(5)

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