悲しき社畜が経済的自由を目指すブログ

これは、悲しき社畜が経済的自由を目指す物語である。

住宅を所有にするか賃貸にするか

毎度、論争になるこのお題。自分なりには整理がついていますが、関心が高いので書いておきます。よく住宅会社がいう「家賃を払い続けるよりお得ですよ」というのは本当なんでしょうか。

 

世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生

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「賃貸よりお得ですよ」は一理ある

不動産投資でもマイホームであっても、このセリフは必ず聞くと思います。低金利であるという状況もあり、ある期間においての収支でいうなれば、確かにこの言説は正しい面があります。しかしながら、全面的に所有がお得であるというのはなく、「場所も変えず一生住むのなら賃貸より所有がトータルの金額的にお得」という意味でのお得です。また、果たして、一生場所を変えずに覚悟を持って住めるのかというのがポイントになります。言ってしまえば、所有は不確実性があるから安くなるだけです。

レバレッジ流動性

所有か賃貸かという論争は、この2つの要因に尽きます。一般に不動産は住宅ローンを組み数千万を借り、数十年かけて支払いをしていきます。一括で買える人は、そもそも社畜ではないでしょう。今は歴史的な低金利時代ということもあり、自己資金だけでなく借入金を使った資産運用はレバレッジが作用して利回り向上に寄与します。土地の値段が大幅に下がらなければ、住宅ローンはメリットがあるでしょう。(逆に土地の価格が下がれば、債務超過に陥ることになりますが・・・)。では住宅は金銭だけなのか?というと後述のような問題が生じてきます。

得るものと失うもの

所有と賃貸、どちらが一方的にお得ということはあり得ません。所有の方が圧倒的に利回りが良くなれば、住宅投資が殺到し、利回りは低下します。どちらかが一方的にお得になれば、そちらへの投資が加速して結果として均衡します。所有は所有リスクを持つことになるし、賃貸は賃貸リスクを持つことになります。

 

賃貸で貸す人は資産運用として貸しているので、賃貸費用は利回り分が上乗せされています。大体不動産の利回りは5%程度なので、その利回り分を賃貸では、多く払っていることになります。

 

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一方で、所有は流動性を失います。流動性とは、すぐに引っ越せることです。隣や上の階の住人が頭がおかしかったりすると困りますよね。賃貸だと、その場合はすぐに引っ越せますし、家族が増えたりしても人数やライフスタイルに合わせてすぐに引っ越せます。賃貸により5%多く払う金額はこの流動性の対価とも言えるでしょう。逆に所有は、流動性が低いため、すぐに移動はできません。売買する際も株とは違い、すぐには約定しません。

 

社畜のメリットを活かす

ここで、社畜特有の観点から考えてみます。社畜は、大きい会社だと社宅や家賃補助がもらえます。これが賃貸と所有の差額である5%をカバーできるかどうかを考えます。5%を家賃補助が超えるのであれば、家賃補助一択です。例えば家賃が10万であれば、5%は6000円です。それ以上もらえるのであれば、流動性に加えて金銭的にも優位性があります。家を買ってしまうと、家賃補助は通常もらえませんからね。

 

なので、経済的自由を求める社畜においては、やっぱり賃貸が合理的となるわけです。住宅ローンで与信枠を使っていなければ、それを事業用融資として使い、投資用不動産を買うことも選択肢に入るでしょう。自らは、流動性の高い賃貸にし、所有不動産を他人に貸し付け副収入を得るという作戦ですね。ただし、事業性ローンは住宅ローンに比べると金利がめっちゃ高いです。

 

持家プレミアムについて

なお、経済的合理性を差し置いて、「持家がロマンなんだ!」という所有することに価値を置いている人は「持家プレミアム」という特殊な効用があるので、所有が合理的という場合も多分にあります。ただし、これは信仰的価値であり、経済的自由を求める場合は、その思想が仇になることは自覚したほうがいいかもしれません。

 

マイホームでも不動産投資である

そして、不動産投資はその地域の繁栄度がとても重要になります。将来的に日本は人口減少が不可避であり、また都市部への人口集中が予想されます。それもあって、都市部では不動産価格も高騰し、タワーマンションも多く建てられています。地方となると、不動産の値下がりが予想されるので、「多額のローンと価値のない土地だけが残った」とならないようにしたいですね。私個人としては不動産は持つべきではないと考えていますが、購入予定の人は、現在の市況もある程度調べてからの購入をお勧めします。所有はキャピタルゲインインカムゲインの可能性もありますが、それはリスクの裏返しで、値下がりの可能性もあることは留意してください。