悲しき社畜が経済的自由を目指すブログ

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投資と投機の違いについて考える

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ロビンフッドという個人投資家向けの株式取引プラットフォームが話題になっています。詳細は記事を読んで頂くとして、大まかな流れとしては、株価が低迷していたゲームストップ社の株を、個人投資家がネットコミュニティで団結し買い向かったというものです。

これにより、空売りを仕掛けていたヘッジファンドが大損したことも話題性を呼びました。

ゲームストップ株急騰で痛手のメルビン、1月に53%の損失 - WSJ

空売りを仕掛けられている株に、一致団結して買い向かおうぜ!という動きは一般的に投機的だと思われます。よく「投資と投機は違う」という言説を見かけますが、実際に明確な違いはあるのでしょうか。

 

最もしっくりくる違いは、投資アプローチでしょう。本来の価値とかけ離れている企業の株を安く購入し、本来の価値ないしはそれ以上に上がることに賭けることは投資の王道だと思います。一方、株価が上がっているから買うというのは企業の価値を無視しているので投機と言えそうです。

 

また時間軸による区分けもできそうです。中長期保有をしている場合は投機ではなく投資ですね。ただし、需給状態によっては短期間で株価が急上昇する場合がありますので本来企業価値に基づいて買っていたものの、企業価値を超えてしまったのですぐに売買するケースもよくあります。この場合は、周囲からは投機と思われてしまうかもしれません。

 

また、企業価値というのは投資家それぞれが想定するものでしかなく、現に株式相場はあらゆるニュースによって、毎日違う振る舞いを見せ、価値は日々変動しています。そう考えると、投資と投機の違いというのも実は明確な線引きはできないのだろうなと最近は思っています。個人が投資だと思っていても周囲からは投機だと思われことは結構あることなのだなと。

 

同じ投資であっても、バリュー投資かグロース投資かというのもあります。グロース投資は、急成長する企業をそこそこの価格で買い、更なる株価上昇に賭ける手法ですが、これも本来は将来的な企業価値を目安に株を買いますが、バリュー投資家からすると投機的だと思われるかもしれません。

 

話は戻りますが、ゲームストップ社の株における個人投資家の売買は、明らかな投機でしょう。彼らは企業価値を見ておらず、空売りを仕掛けているヘッジファンドを見ていました。そして、上がり続ける株価チャートを見て喜んでいます。そこに企業の業績や将来稼ぎ出す利益などの考えは無い可能性が高いです。

 

 

そう考えると、投機と定義する範囲は意外と狭いのだと思います。企業価値以外の要素を主に考え資金を投ずることを投機というのであれば、今回のロビンフッドの件は明確な投資です。では金銀などのコモディティ、将又ビットコインのような暗号資産の購入は投資なのか、投機なのか。ここはかなり難しいでしょう。

 

株式投資であれば、理論的には株価は将来にわたる利益の合計を現在価値に割り引いたものであると定義されています。これは企業という主体があるので分かりやすいですね。では金やビットコインの価値をどう見積もるかというとコンセンサスは取りづらい気がします。そう考えると、これらへの投資は投機と呼ぶ方が自然なように思えます。

 

では、投機が悪だというとそんなわけでもありません。有事の金とはよく言いますが、株式市場が低迷する場合にはよく株の資金がコモディティに流れます。これを投機だと言って非難する人は少ないですが、投機にも良いものと悪いものがあるのかもしれません。

一番、カッコいい投資は自らが企業価値を見積もり、需給を気にせず安い時に買い株価上昇を静かに待つというバフェットさんみたいな投資方法でしょう。これは孤高という感じでイケてますよね。ですが人気の株を買うと、いくら企業価値を見積もっていたとしても、需給の波に乗ってる投機でしょと言われたりします。

 

ダラダラと書きましたが、結局は投資と投機は投資基準が違うだけで貴賤なんてものはなく好き嫌いと言う身もふたもない話になります。いわゆる投資家は投機を毛嫌いする傾向にありますが、投機する人がいないと株式市場でミスプライスがつかなくなり彼らの投資機会が無くなります。投機も市場の流動性を保つために有益な存在でしょう。

 

以上纏めると、市場全体としては投資と投機は機能補完的な役割分担となっており、投資は投機による需給変動がなければ成立しえないし、投機もギャンブル的な娯楽性があるため消滅はあり得ないと考えます。

 

私としては、投機的な動きはミスプライスを生むため投資に有益な存在だと考えています。なのでより良い投資をするために投機的動きは歓迎していくというスタンスでこれからも細々と投資をしていきます。本当に纏まりがないですが、以上です。